金田一耕介とは


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 金田一耕介  
2008/03/24 日記<金田一耕介>

金田一耕介



金田一 耕助(きんだいち こうすけ)は横溝正史の推理小説に登場する架空の探偵。ボサボサ頭にお釜帽(フェルト帽)をかぶり、セルの袴に下駄履きといった姿が印象的である。

身長は5尺4寸(163.6cm位)、体重は14貫(52.5kg位)を割るだろうという。雰囲気がコウモリに似ているといわれた事がある(「蝙蝠と蛞蝓」より、稲垣版「悪魔が来りて笛を吹く」の冒頭でも進駐軍兵士から「Bat Man」と呼ばれている)。至って平凡な顔立ちであり、体躯は貧相で、本人もそれに対し劣等感を抱いている描写が作品中多々見受けられる。「本陣殺人事件」ではA・A・ミルンの「赤い館の秘密」に登場する素人探偵アントニー・ギリンガムになぞらえられている。 両親とは探偵稼業を始める前に死別しているらしいことが、「仮面舞踏会」中の金田一のセリフからうかがえる。

興奮するとスズメの巣のようなモジャモジャ頭を掻きまわし、言葉が吃りはじめる(ただし、原作中においては映画・テレビなどのように頭を掻くときに大量のフケが落ちるという描写はあまりない)。また、何か重大な発見をした場合、口笛を吹くように口をすぼめたり、実際に口笛を吹くクセももつ。

持ち物はトランクのイメージが強いが、原作では「ボストンバッグ」や単に「かばん」と表記されているので、具体的にトランクかどうかは指定されていない(「獄門島」では帰還兵らしく雑嚢を持っている)。また、金田一のデビュー作「本陣殺人事件」や「黒猫亭事件」などの初期の作品と、最終作「病院坂の首縊りの家」では籐のステッキを持っている。

いつもは眠そうな、ショボショボとした目つきをしているが事件の渦中にあって、かつ自身が強く興味を持った事に対しては真剣な目つきに変わるという。

発言も、普段は控えめでのらりくらりとしており、おおむね犯人や登場人物の行動がそこに至るまでの苦悩を思い、憐憫の情を示すような口ぶりをするが、犯人の動機や関係者の行動が著しく非社会的・非人道的で、狡猾かつ独善的な場合にはより強く厳しい発言・批判を浴びせる。

事件が解決すると、強い興味を引く目的がなくなって一種のメランコリー(憂鬱感)に襲われるため、ふらりと旅に出てしまう。

生涯独身であったとされるが、作品中で金田一耕助が思いを寄せた女性は二人いる。「獄門島」の鬼頭早苗と「女怪」の持田虹子である。

住居・事務所は復員後は京橋裏の「三角ビル」の最上階に探偵事務所兼住居を持っていた(「黒蘭姫」)が、後(昭和22年ごろ)には中学の同級生で建設会社社長の風間俊六が愛人(作中では「2号さん」)に経営させている大森の割烹旅館「松月」に居候する。昭和23年ごろになると銀座裏にあるビル(三角ビルと同一と思われる)の最上階に事務所を開業(「死仮面」「女怪」)し、その際は住居を別にしている。昭和29年〜32年ごろ、さらに住居を世田谷区緑が丘の緑ヶ丘荘に定め、ここが「最後の住処」となった。 (引越しの時期を昭和32年とする説も有力で、経歴では昭和32年説を採用)

趣味は映画や絵画鑑賞(「仮面舞踏会」など)、歌舞伎鑑賞もする(「女王蜂」「幽霊座」)。スポーツの方は苦手で、「仮面舞踏会」ではゴルフに誘われた際に「運動音痴、すなわちウンチ」と発言している。ただし、ボートを漕ぐ事と、東北出身である事からスキーは得意。

ヘビースモーカーで、いつも灰皿が吸殻の山になっている。銘柄は「ピース」と「ホープ」を愛煙する(横溝が「ホープ」を愛煙していた)。戦前は「チェリー(CHREEY)」を愛煙していた(「本陣殺人事件」)。

酒は自らすすんでは飲まないようだが、下戸ではない。磯川警部と食事をしながらビール瓶を2・3本開けたり(「湖泥」「悪魔の手毬唄」)、大きな徳利を数本あける。また、等々力警部とはいきつけのクラブ「スリーX」があり(「白と黒」)、また風間俊六の愛人が経営している「クラブKKK」もあるが(「病院坂の首縊りの家」など)、後者の方はもっぱらクラブの用心棒であり、金田一の手駒である多門修に偵察を依頼したり、情報を収集しに行ったりするのがほとんどのようである。

食事はアメリカ帰りからか洋風。トースト・卵(ゆで卵)・牛乳が中心で、他にもサラダや果物、アスパラガスの缶詰などを好んで食べている。少食で、食事シーンは大食漢の等々力警部と対照的に描かれる。

作者・横溝正史のエッセイ「金田一耕助誕生記」によれば、金田一耕助の風体は劇作家の菊田一夫がモデル(著書『金田一耕助の帰還』でも「一見小柄で貧相だが、うちに大いなる才能を秘めた人物」としてモデルにした旨が記されている。)であり、名前も当初は「菊田一○○」と付けようとしていたという。だがこれは菊田に失礼だろうという事で取り止めた。そこで横溝は、疎開前に住んでいた東京・吉祥寺で隣組にいた、言語学者金田一京助の弟金田一安三(やすぞう)の表札を見ていた事から前述の“菊田一”に近い苗字である“金田一”を取り、名前は“京助”を捩って“耕助”と付けた。また耕助の興奮すると頭を掻く癖は横溝自身の癖を誇張したものだそうである。


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